Tales of Phantasia - Full Voice Editionのレビュー
時渡りは画面の上で読み取れる。同じ場所が数百年を隔てて再び現れる。森は町となり、廃墟はふたたび神殿へ戻る。道の配置がそのまま保たれているため、比較は否応なく目に飛び込む。作り直された挿入映像は、同じ画角を二度捉えることでその回帰を際立たせる。
桜庭統と田村信二の手による音楽が、時を越える旅を通じて、熱いオーケストラと心打つ主題を結び合わせる。どの戦いもその熱量で奮い立たせ、街の旋律が冒険を温める。テイルズシリーズの礎たるこの音の大盤振る舞いは、いまもファンの胸に深く残る。
全編の音声化は物語の性質そのものを変える。それまで文字の行に切り詰められていた脇の人物たちが、ためらいや溜息や沈黙を得て、心変わりの筋道がはるかに読み取りやすくなる。まず恩恵を受けるのはダオスであり、彼を宿敵と呼ぶことの自明さは目に見えて揺らぐ。
クレスとその仲間を追って時を越えることは、リアルタイムの戦闘、探索、サブクエストに富んだ古典的なJRPGを繰り広げる。長い本筋と数多くの秘密が、数十時間を養う。フルボイス化で甦ったこの太っ腹さが、RPG好きが育てる寿命を差し出す。