Tokyo Mirage Sessions FEのレビュー
描かれる東京は盛り場のそれだ。広告の大型画面、中古盤の店、録音室。それと分かる精度で写し取られたうえで、ネオンと舞台の意匠に満ちた並行世界がその上に重ねられる。戦いの装いは甲冑ではなく舞台衣裳から借りられ、登場人物はみな、演者としての制服をまとっている。
弾けて色鮮やかな音楽が、東京の芸能界の中心で、アイドルのJ-POP、ポップロック、過剰なまでの戦闘曲を織り交ぜる。どの対決も、耳に残る歌に支えられ、燃え立つコンサートへと変わる。陽気で洒落たこの音の個性が、アトラスと任天堂のこのクロスオーバーの独自性のすべてを成す。
物語は芸能事務所に入った少年少女を追う。試験、撮影、初めての公演。この成長譚の上に、演者から創作の力を奪う超常の脅威が接ぎ木される。この取り合わせは見かけより筋が通っている。どちらの糸も、人前で自分の何を差し出すのかという同じ問いを扱い、結末で二つは一つに合流する。
ポップなミュージカル風の見た目の裏には、手応えある戦闘システムで迷宮型ダンジョンを攻略する野心的なJRPGが潜む。アイドルにまつわるサブクエスト、レベル上げ、武器の鍛造、手強い隠しボスの間で、進行をじっくり味わえる。世界観の大胆な融合ゆえ、今では高く評価されるカルト的な逸品となっている。