Tom Clancy's Splinter Cell - Double Agentのレビュー
この一篇はサム・フィッシャーを夜から連れ出す。白い空の下のアイスランドの石油基地、陽の照りつけるメキシコの浜、光に潰される刑務所の中庭。影の存在しない場面ばかりで、暗がりではなく人混みに紛れねばならない。シリーズは慣れた語法を失い、白昼における別の不可視を発明する。
マイケル・マッキャンは楽曲を危険度ではなく忠誠の所在に合わせる。サムが当局に仕えているのか、潜入先のテロ組織に仕えているのかで音色は陣営を変え、片や張り詰めた弦、片や汚れた電子音となり、目的が矛盾する場面では両者が混ざる。誰も口にしない二重生活を告げる唯一の指標がここにある。