Tomb Raiderのレビュー
雨と泥に濡れた敵意ある島、息をのむ自然光、生々しいリアリズム──このリブートは、ララを残酷で説得力あるサバイバルへと突き落とす。背景への丹念さと顔立ちの表現力が、稀なる密度に達する。丁寧で没入感あるこのアートディレクションが、ひとつのアイコンを見事に作り直す。
ジェイソン・グレイヴスは島のために楽器を作らせた。弓とマレットで奏でる金属彫刻だ。分類不能な軋みがヤマタイに管弦楽でも電子音でもない固有の声を与える。周りには木と皮の生々しい打楽器、そしてまだ英雄になれない数音のピアノで綴られるララの主題。生存はここで固有の音色を持つ。
リブート作は偶像の製造過程を語る。学徒としてヤマタイに流れ着いたララは寒さと飢えと初めての殺人に耐え、得る技能の全ては傷跡を残す試練からもぎ取られる。嵐を封じる太陽の女王ヒミコの謎が島を罠として成立させる。勇気ではなく恐怖から伝説が生まれる様こそ本作の主題だ。