Ultra Street Fighter IVのレビュー
3Dで造形されながらも、墨の質感と筆致をまとった戦士たち──本作は、立体と水墨画の美意識を、大胆な気品とともに結び合わせる。グラフィックの飛沫と躍動するポーズが、ひと目でそれと分かる作風をつくる。洗練され霊感に満ちたこの視覚演出が、カプコンの格闘を見事に作り直した。
オーケストラ、エレクトロ、ロックを織り交ぜ、音楽が、奮い立たせる「Indestructible」から色鮮やかなステージ曲まで、尖った熱量で、ひとつひとつの戦いを痺れさせる。どのアリーナも固有の個性を持ち、攻防の強度を煽る。丁寧で心躍るこの音の大盤振る舞いが、シリーズの大いなる復活を見事に支える。
古典の究極版で、さらなるファイター、ステージ、最高峰でのバランスを磨く調整を加える。感触の精度と戦術の豊かさが、初心者からプロまで、わずかな上達にも報いる。豊かで均整がとれ、切れ味鋭い。競技のために作られた対戦の指標の到達点で、心躍る濃密さの対決を約束する。
相手を読み、一撃を置き、正確なタイミングでコンボを連ねる行為が、各ラウンドを即座に雪辱したくなる綱引きにする。キャラクターを使いこなし、オンラインで昇格することが練習に報いる。技術の高さは初心者を拒むが、丁寧なバランスと読み合いの奥深さが、愛好家を飽きさせない対戦にしている。
新顔で大きく膨らんだロスターを御するには、間合いも反撃も異なる無数の組み合わせを一つずつ学んでいく必要がある。トレーニングでコンボを磨き、オンラインの段位を地道に上げ、全キャラを掘り下げていく上達の道に天井はない。2D対戦格闘の長きにわたる基準として今もなお語り継がれている。