Venbaのレビュー
香辛料の色合いをまとった温かなグラフィックノベル。丸みのある挿絵、黄土と金のパレット、愛情を込めて描かれたインド料理。親密で大らかなこの視覚的な優しさが、家族のレシピの継承を心温まる色彩の抱擁へと変える。
画面の中でじっくり煮込まれる料理を通して、カナダに暮らすインド系移民一家の物語が立ち上がる。受け継がれるレシピと、世代の隔たりのあいだで。料理はひとつの言葉になる——母の愛、故郷を離れる痛み、保ち、あるいは失われていくアイデンティティの。短くも温かなこの記録は、香辛料の香りごとによみがえる記憶で胸を打つ。