WWF WrestleMania - The Arcade Gameのレビュー
格闘家たちは実写から取り込まれたのち、体格と衣装を誇張する方向で手が加えられている。技には稲妻、炎、場外への投げといったあり得ない演出が、写真から起こした絵の上に描き足される。異質なものを重ねるこの手つきは、最初から堂々と引き受けられている。
伴奏は押しの強い合成音のロックを選び、繰り返されるリフと素直な打楽器が試合の拍を支える。選手ごとに短い入場の動機が用意され、勝負どころでは、生の会場のどよめきを模した音の強調が差し挟まれる。
リアルさは忘れていい。ここではレスラーが宙を舞い、火を吐き、アニメさながらの荒唐無稽な技を次々に繰り出す。猛烈なテンポと度を越した必殺技が、どの試合も花火大会に変えてしまう。本当のカオスは複数人プレイで爆発し、笑い声と反則の入り乱れる喧騒は、今もその伝染する熱気を少しも失っていない。