Yggdra Unionのレビュー
スティングは札を装飾写本の頁として扱う。彫り込まれた縁飾り、彩色された紋章、書きつけられた文字、中央に据えられた絵。どれも手写本から引きちぎった一葉のようだ。対する盤上では、部隊は極小の描き人形に切り詰められる。装飾と抽象のあいだのこの落差が、見た目の品格をすべて支えている。
書法はあくまで軍楽的でありながら、少人数で奏される。ティンパニ、数えるほどの金管、張り詰めた弦。それだけで王国同士の戦争が立ち上がり、期待される大編成の管弦楽は最後まで呼び出されない。部隊の連鎖は一環ごとに一層ずつ音を積み、計算と同じだけ耳にも報いる。
ユグドラが受け継ぐのは、すでに落ちた王国である。彼女が率いる奪還の戦を、物語は美化しようとしない。仲間は必要に迫られて集められ、裏切る者も出て、勝利のあとには廃墟となった町が残る。調子は終始、戦の年代記であり、王女の正統性が代価を正当化することはついにない。