Another Century's Episode 2 - Special Vocal Versionのレビュー
この再版は、遊びそのものではなく編集に手を入れる。要所の場面は歌入りの主題歌に合わせて組み直され、映像は歌詞の抑揚に寄り添う。連続攻撃がちょうどサビに落ち、間奏でゆるやかな緩速へ。見せ場はほとんど音楽番組の映像となり、同じ戦いの演出が、声の律動へすっかり調え直される。
この版の真の追加は、ただ音楽にある。主題歌は歌ありで戻り、原曲の歌声も歌詞も伴う。標準版が器楽主題に留まったのに対し、ここでは各シリーズが任務の最中に歌い上げる一曲を丸ごと取り戻す。愛好家にとって値打ちは、この歌入りの音源にこそある。アニメの名曲を、あるべき場所で正確に響かせる音の賛歌だ。
物語の面では、新味はない。筋は標準版そのままで、一行も足されていない。このスペシャル・ヴォーカル版は、愛好家向けの再版という立場を素直に引き受け、物語が音源を支える側に回る。収集家には聴くための決定版だが、標準版を通した者に新たな展開はなく、あるのは音楽的な引き立てだけだ。