Axiom Vergeのレビュー
トム・ハップは表示の不具合を素材に変える。作中の道具がスプライトや背景を意図的に壊し、誤った画素の帯や崩れた質感を呼び出すのだ。技術的な事故が、そのまま造形の語彙になる。肉と管と記号でできた異星の世界は、機械よりも生物のほうから語彙を借りている。
楽譜は音源チップ風の合成音と工業的な質感を混ぜ合わせる。歪みや白色雑音といった、あえて生々しい音が、絵の側の破損の美学をそのまま引き延ばす。有機的な区域には拍を持たない持続音の層が、機械的な通路には反復する連なりが割り当てられ、その場所の性質は地図に描かれる前に耳で分かる。