Ever 17 - The Out of Infinityのレビュー
KIDのビジュアルノベル、Ever17は、海底パークLeMUを軸に、抑制されたSFの美術を広げる。表情豊かなキャラデザイン、青みを帯びた水槽、簡潔なインターフェイスが、穏やかでいて不穏な空気を醸す。水を透かす光と閉ざされた空間が、密室性と潜む謎を際立たせる。
阿保剛の楽曲は、Ever17を柔らかく物悲しいエレクトロニカに浸す。透明なパッド、夢見るようなピアノ、心を打つ主題が緊張の緩やかな高まりに寄り添い、真相の瞬間に一気に開花する。この時を巡る密室の要所を記憶に刻む、繊細な一枚。
災害ののち海底ステーションに閉じ込められた生存者たちは、時計細工のような精緻さで枝分かれしていくタイムループに気づく。複数の視点を織り合わせたこのSFの物語は、終盤の真相が忘れがたいものとする、めまいにも似た語りの妙を醸し出す。今なお崇敬される、ジャンルの頂のひとつだ。