Fable IIIのレビュー
アルビオンは産業の時代を迎える。屋根の上に立つ工場の煙突、蒸気機関、煤に黒ずんだ職工の街と、その隣の金色の広間。操作画面は消え、代わりに実際に歩ける一室、聖域が置かれる。執事が台座に武器を、人台に衣服を並べて見せる。献立表が場所になり、場所が身分を語る。
主題を書いたのはダニー・エルフマンで、その署名は一聴で分かる。児童合唱が歌う旋律に、妖精譚めいていながらどこか不穏な管弦楽が寄り添う。結末を薄々察している御伽噺の響きだ。残りはラッセル・ショウが担い、冒険の前半と玉座の後半を書き分ける。後者では弦が儀礼的に、金管が事務的になる。
前半は革命、後半は統治だ。玉座に就いた途端、同志への約束はすべて支出に変わり、国庫は期日の決まった脅威への防備を賄わねばならない。約束を守れば国は弱り、裏切れば国は残る。そして終幕で死者が数え上げられる。予算の采配を道徳の駆動装置にした物語は珍しい。