Final Fantasy Chronicles - Chrono Triggerのレビュー
北米版の合冊はもとのドット絵と鳥山明の生き物たちをそのまま残し、その丸みは一目で分かる。そこへ東映アニメーションが手がけた映像が加えられた。原始の黄土色から荒廃した未来まで、時代ごとの色調は保たれ、動画になっても元の絵の呼吸は損なわれていない。
光田康典が書いたのは時代を渡る音楽だ。原始にはくぐもった打楽器、中世には撥弦楽器と笛、未来には合成音の質感。主題は姿を変えながら何度も戻ってきて、終幕の一曲はこの版でも当時のままの重みを保っている。
終末を防ぐために時代を超えて旅をする──そんな大胆な発想の物語で、訪れる時代の一つひとつが、それぞれの悲劇を露わにする。愛すべき登場人物、複数の結末、そして三人の天才が彫り上げた筋立てが、この冒険を語りの優雅さの手本に仕立てる。色褪せぬその物語は、今もRPGの絶対的な規範であり続ける。