Final Fantasy Tacticsのレビュー
スクウェアと松野泰己によるシミュレーションRPG、ファイナルファンタジータクティクスは、稀な中世的優雅さの2D美術を広げる。疑似3Dのアイソメトリックマップを行き交う精細なスプライト、暗い政治的ファンタジーの背景、吉田明彦のキャラクターデザインが、一貫して洗練された世界を成す。戦術グリッドの見やすさと細部の豊かさが、戦略を昇華する。本機のシミュレーションRPGの2D美の頂点。
崎元仁と岩田匡治の楽曲は、ファイナルファンタジータクティクスをシミュレーションRPG音楽の頂へと引き上げる。雄大な管弦楽、荘厳な軍隊的主題、稀な豊かさの物悲しい旋律が、物語の悲劇的な政治劇に寄り添う。映画音楽にふさわしい野心的な作曲が、戦いに叙事詩的な重みを与える。本作の伝説と切り離せない、豪奢で色褪せぬ一枚。
王位継承の戦を背景に、何もかもが対照的な二人の幼なじみが、一人は影へ、一人は玉座へと、相反する道を歩んでいく。シェイクスピア的な暗さをたたえた政治の物語として、階級、信仰、そして裏切りを稀なる密度で描き出す。長くカルト的人気を誇るその大人びた筆致は、本作をRPG屈指の名脚本へと押し上げる。