Final Fantasy VI Pixel Remasterのレビュー
植松伸夫の楽曲はここで第二の青春を迎える。本リマスター向けに丁寧に再オーケストレーションされながらも、オペラの哀愁、ティナのテーマの悲劇的な高まり、ケフカの狂気をそのまま宿す。人物ごとにモチーフ、街ごとに色がある。原曲の精神を裏切らずに編曲し直すこと——それこそ本作が成し遂げた要だ。
ドット単位で磨き直された十六作目の宝石たる本リマスターは、世界の二つの半分と膨大な操作キャラ陣を擁し、シリーズ屈指の濃密な物語を見せる。物語を越え、召喚や魔石による技の継承、任意の狩りが、全仲間を極限まで育てる誘いとなる。原典に忠実かつ洗練された系統の深さが、伝説的な寿命を保ち続ける。