Final Fantasy VIのレビュー
六作目ファイナルファンタジーのプレイステーション移植である本作は、16ビットの原作の崇高な美術を保つ。稀な繊細さのドット絵、たそがれのスチームパンク世界、天野喜孝のキャラクターデザイン、表情豊かなスプライトが、歌劇的で物悲しい美学を成す。緻密な街、メカ、魔導が、追加ムービーで彩りを増した、色褪せぬ視覚の絵巻を彩る。16ビットの美の頂点。
植松伸夫の頂たる楽曲は、前代未聞のオペラの場面と、常軌を逸した「魔列車」ならぬ『妖星乱舞』へと昇りつめる──当時としては書法の離れ業だ。「ティナのテーマ」から各主人公の音楽的肖像まで、どの曲も胸を打つ。16ビットで並ぶもののないこの抒情の野心は、いまもビデオゲームの金字塔であり続ける。
群像のキャスト、神となった道化、そして本当に崩れ落ちる世界──これほどの転覆に挑んだRPGは数少ない。暗くも、同時に輝かしいその筆致は、登場人物の一人ひとりに傷と希望を与える。しばしば2D時代の語りの頂点と称されるこの物語は、悲劇の力を少しも失っていない。
物語が絡み合う十数人の主人公を切り替え、幻獣を介して魔法を装備し、オペラが物語を一変させる様を見届ける――そうして章ごとに次を呼ぶ大絵巻が織りなされる。カスタマイズと第二幕の秘密がすべてを掘り尽くしたくさせる。移植版はロード時間が加わるが、この時を超えた叙事詩は稀有な引力を保ち続ける。
帝国、そしてケフカに立ち向かう十数人の群像劇を見届けることは、サブクエストや秘密に富んだ、稀有な広がりのJRPGを繰り広げる。開かれ、内容の詰まった第二の世界が、任意の仲間集めと任意の挑戦を何倍にも増やす。この物語の豊かさと内容の濃密さが、ジャンルの色あせない頂点という地位を物語っている。