Fire Emblemのレビュー
西洋版を支えるのは、二つの縮尺のはっきりした対比だ。地図上では軍ごとに色分けされた極小の駒が並び、戦闘に入れば画面幅いっぱいの演出が始まる。兵種ごとに構え、乗騎、斬りかかり方まで描き分けられている。表情の変わる胸像の立ち絵は、それだけで人物像を担っている。
辻横由佳の手による音楽は、英雄的な主題と稀有な気高さの軍隊行進のあいだで、どの戦いをも叙事詩の高みへと引き上げる。GBAの音源は驚くほど雄大な編曲を響かせ、戦術の緊張と情感を際立たせる。この管弦楽の荘厳さが、西洋初のファイアーエムブレムを伝説へと押し上げた。
物語はこの系譜を初めて手に取る層のために組まれている。冒頭の戦役は語りの助走として働き、若き騎手は遊び手と同じ歩調で己の務めを覚えていく。やがて調子は険しくなり、人物の死が取り返しのつかないものである以上、どの敗北も本物の喪失になる。任意の会話にも重みが宿る。
倒れたユニットは二度と戻らないと知りながら一歩ずつ駒を進めることが、各バトルにまれな戦略的緊張を帯びさせる。戦士を育て、武器の三すくみに気を配り、次の伏兵をかわす――愛着と計算の循環が生まれる。永久の死といくつかの難所の山はもどかしいが、この戦術の重みが、全員を救うために何度もやり直させる。
失えば二度と戻らないユニットを率いる以上、一戦ごとが重みを増し、誰も失うまいとやり直したくなる。支援関係を育み、三十を超える兵種を扱い、無犠牲の進行を目指すほど時間は伸びる。西洋初登場として、じっくり極める骨太タクティクスの評価を築いた。