Fire Emblem - Rekka no Kenのレビュー
日本版で際立つのは大陸そのものの描き方だ。羊皮紙の質感を持つ地図、黄土と深い緑を基調に描かれた城砦と平原、戦場全体を覆う膜として表現される天候。旗と甲冑に反復される貴族の紋章は、飾りであると同時に、誰の軍かを見分けるための目印としても働いている。
辻横由佳の手による音楽は、英雄的な主題と稀有な気高さの軍隊行進のあいだで、どの戦いをも叙事詩の高みへと引き上げる。GBAの音源は驚くほど雄大な編曲を響かせ、戦術の緊張と情感を際立たせる。この管弦楽の荘厳さが、西洋初のファイアーエムブレムを伝説へと押し上げた。
前日譚として書かれた本作が語るのは、日本の遊び手が既に知っていた世代の一つ前の物語だ。読み手が登場人物より多くを知っているという構図が効いてくる。家名も、同盟も、遺恨も、後の出来事を先取りして示す。王国を操る錬金術師は、より高い目的に仕えていると信じる分だけ冷酷に振る舞う。
倒れたユニットは二度と戻らないと知りながら一歩ずつ駒を進めることが、各バトルにまれな戦略的緊張を帯びさせる。戦士を育て、武器の三すくみに気を配り、次の伏兵をかわす――愛着と計算の循環が生まれる。永久の死といくつかの難所の山はもどかしいが、この戦術の重みが、全員を救うために何度もやり直させる。
起用する主人公次第で三つの物語が分かれ、それだけで再挑戦の理由が増す。ロストの厳しさが些細なミスも許さない。リン編が手引きとなり、エリウッドとヘクトルの物語が長い章へ広がり、支援会話の解放が彩る。西洋名Fire Emblem、奥深く周回したくなる名作だ。