Half-Minute Heroのレビュー
点描は、この機械が出せる水準よりわざと粗く作られている。数個の点でできた主人公、二枚だけの動きを持つ魔物、四角い升目の村。この意図的な退行が笑いを支え、画面上部で刻々と減る巨大な砂時計こそが、本作でもっとも堂々とした図像になる。
曲は三十秒に収まるよう裁断されている。前奏は削られ、主題は冒頭から差し出され、繰り返しはない。音色は八十年代の音源を模し、砂時計が空になるにつれて速度が上がる。画面の数字よりも、この加速のほうが確かな慌てぶりの目盛りになる。
きっかり三十秒で世界を救う、それを何度でも——この風変わりなRPGは、クエストもレベル上げもボスも、喜劇的な濃度の超短時間プレイに凝縮する。猛烈なテンポと絶え間ない自虐が、ジャンルの常識を陽気に裏切る。賢く速く爆笑必至。切迫を純粋な楽しさに変える、ほかに類のない天才的な発想だ。