Heracles no Eikou III - Kamigami no Chinmokuのレビュー
この三作目が据えた様式を、次作はそのまま受け継ぐことになる。明るい石造りのギリシア、列柱、オリーブ、横帆の船、そして古典から引かれた怪物たち。人物のドット絵は四作目よりやや小さいが、神殿や港町の描き込みは、1992年の作品としてはすでに相当な密度に達している。
音楽は明るい旅の主題と、神々にまつわる暗い曲とを行き来する。編成が選ぶのは撥弦楽器と笛だ。戦闘の緊張は音量ではなく拍で高められ、物語の核心が明かされる場面には、当時の作品としては珍しいほど歩みの遅い数曲が置かれている。
副題がそのまま主題を告げている。神々は沈黙し、人はその答えのないまま前へ進むほかない。記憶を持たない主人公は、上位の存在が介入をやめたギリシアを歩きながら、自らが何者かという糸をたぐっていく。物語はこの不在を空白ではなく告発として扱い、この分野では稀な重さでそれを語る。