Heracles no Eikou IV - Kamigami kara no Okurimonoのレビュー
データイーストは物語の舞台に神話のギリシアを選び、意外なほど丁寧に描き起こしている。列柱、オリーブの木、明るい石造りの港、彫刻の入った破風の神殿。そして伝説からそのまま連れてこられたケンタウロスやハーピュイア、キュクロプス。黄土色と地中海の青を軸にした配色が、同時期の中世風幻想物とはっきり袂を分かっている。
音楽は期待される英雄的な吹奏をあえて避けている。竪琴を思わせる撥弦、笛、軽い打楽器。街の主題は管弦楽よりも古代の舞踏曲の側へ寄っていく。戦闘は拍の密度だけで熱を上げ、飾りを削ぎ落とした弔いの数曲が、そのなかで際立って響く。
脚本を書いているのは野島一成であり、最もよく知られる仕事の数年前にあたる。それは読めば分かる。記憶を失った主人公が、なぜ自分は死ねないのかを少しずつ知っていく筋立て。神々の動機はほとんど気まぐれで、不死は報いではなく罰として扱われている。