Legacy of the Wizardのレビュー
一家の五人は大きさと色で一目のうちに見分けられる。厚みのある父から極小の子ども、そして飼われている獣まで。ただ一つの迷宮は梯子で結ばれた四角い部屋として広がり、区画ごとに基調色が与えられる。あえて途方もなく広く取られた見取り図のなかで、それが記憶の目印になる。
古代祐三がここで書くのは、初期の代表作の一つと言える楽譜だ。広がりのある旋律と豊かな和声の進行は、単なる繰り返しの一節とはかけ離れている。人物ごとに固有の主題が与えられるため、探索者を替えることがそのまま音の気分を替えることになり、長い探索に稀な連なりが生まれる。
能力の異なる五人家族で巨大な迷宮城を隅々まで探る道のりは、各階の地図づくりに膨大な時間を要する。障害ごとに適切な人物を選びリアルタイムで進むには、根気と地形の記憶が欠かせない。ファルコム譲りの自由で歯ごたえある構造ゆえ、迷宮マラソンとしての評価が根強い。