Little Town Heroのレビュー
トビー・フォックスと崎元仁が、それぞれの世界を持ち寄る。その合金は実に美味だ。一方の旋律のいたずら心が、もう一方のオーケストラの壮麗さと出会う。アイデアのぶつかり合いは、英雄的で茶目っ気のあるテーマをまとい、繰り出すカードの拍に脈打つ。この意外な邂逅が、愛おしくも予想外の音楽を刻む。
穏やかな小さな町で、ごく普通の少年が、皆が恐れる脅威にあえて立ち向かう。物語は選ばれし勇者の定石を裏返したこの構図を楽しみ、温かくも少しばかり生意気な調子を育てる。愛らしい住人たちと優しい笑いが、この慎ましい冒険を、当たり前に逆らう勇気を描いた誠実な寓話へと変える。
規模は控えめだが、冒険を支えるのは独特の戦闘だ。三列のカード対決のように展開し、相手の防御を読み崩すには確かな思考がいる。物語は比較的早く幕を閉じるが、手強いボス相手にイジットのデッキを練り直す奥深さが、収録時間を上回る。長さより、この戦術的な異質さが心を掴む。