Makai Senki Disgaea Portableのレビュー
アートデザイン
音楽
シナリオ
図像の創意が集まるのは暗黒議会の議場である。種族の異なる魔物の議員たちが段状の席に並び、埃をかぶった旗の下で札を掲げて票を投じる。あくびをし、眠りこける者まで揃ったこの魔界の議会風景は、どんな挿入映像よりも多くを語る。
作曲は征服の音楽をそっくり真似る。付点の太鼓を刻む行進曲、戴冠の吹奏、荘重な讃歌。どれも物語の何一つ裏づけない自信をもって鳴らされる。軍隊じみた仰々しさと、魔物たちのけちな内輪もめとの落差こそが、この伴奏の妙味である。
玉座を取り戻すために目覚めた魔王の御曹司ラハールが、はちゃめちゃで、それでいて愛おしい魔界を巡っていく。ばかばかしい笑いと小気味よい台詞の裏には、愛、正義、そして贖罪をめぐる確かな主題が潜む。笑わせ、そして泣かせるこの巧みな筆致が、カルトなサーガの個性を築いた。
ユニットを常識の枠を超えて鍛え上げ、アイテム界に潜り、数百万単位のダメージを狙う――ほぼ底のない成長ループが組み上がる。全体魔法、レベリング、複雑に絡み合うシステムが短い目標と報酬を次々と繋いでいく。やり込みは意図的で時間を貪るが、この戦略的なインフレぶりと風変わりなユーモアが恐ろしく粘り強い吸引力を保つ。
レベルがめまいのするほどの高みまで上りつめる戦術バトルを進めることは、ほとんど底のない成長の奥行きを開く。ユニットを最適化し、アイテム界を探り、極限のステータスを目指す営みは、数百時間を満たしうる。『ディスガイア』ならではのこのシステムの太っ腹さが、シミュレーションRPGの虜が大切にする長寿命を支えている。