Metroidのレビュー
暗い異星の洞窟、入り組んだ通路、息詰まる孤独──本作は、8ビットとしては驚くべき空気感のサイエンス・フィクションをつくる。縦方向の探索と孤絶の空気が、カタログのほかとは一線を画す。簡素で蠱惑的なこの視覚演出が、伝説的なサーガの礎を築いた。
田中宏和は口ずさめる旋律を拒み、圧迫の音楽を書く。低く敷かれた持続音、濁った動機、反響と脈動だけが残る長い区間。ブリンスタの一曲だけが歌う例外であり、この音は孤独を聴こえるものにするために組まれている。本体では前例のほとんどない選択だった。
地図も導きもないまま惑星ゼベスに放り出されたプレイヤーは、強化のたびに新たな道が開ける広大な迷宮を記憶せねばならない。手強い敵、行き来の往復、目印の欠如が、技量と同じく方向感覚を試す。素っ気なくも魅惑的な探索の先駆けである本作は、あえて迷い込む者の好奇心と粘り強さに報いる。