Mother 2 - Gyiyg no Gyakushuuのレビュー
レトロな愛嬌と、どこかずれた世界観──絵はがきのようなアメリカの風景、とぼけた敵、温かな色合いが、唯一無二の世界をつくる。あえての素朴なスプライトの裏に、絶え間ない創意とユーモアが潜む。素朴でいて機知に富んだこの愛らしい作風こそ、カルトなシリーズの妙味そのものだ。
分類不能で天才的な音楽が、流用されたサンプル、サイケデリックなポップ、子どもらしい旋律を、まったくの自由さで織り交ぜる。錯乱した戦闘曲から最も心打つ瞬間まで、どの曲も驚かせ、心を和ませる。作品のとぼけたユーモアと切り離せないこの音の独自性が、本作を唯一無二のカルトにしている。
ごく普通の四人の子どもが、奇妙で色彩豊かな郊外のアメリカの只中で、宇宙的な悪に立ち向かうべく旅立つ。ばかばかしい笑いとやさしさの裏には、忍び寄る不安がにじみ、やがて胸を打つほど奇妙な結末へと至る。可笑しくも深く心を揺さぶるこの唯一無二の筆致が、本作を愛されるカルト作にした。
風変わりなアメリカを歩き、経験を積み、奇天烈な敵と対峙する――その独特の空気感が、冒険へと一瞬で引き込む。町ごとにギャグや道具、思いがけないボスが待ち受け、続きを知りたい衝動が途切れることはない。戦闘は時に間延びするが、このユーモアと優しさが、なかなか手放せないRPGへと仕立て上げている。
ネスとともに奇天烈なアメリカを巡る旅は、小さな町からますます荒唐無稽な土地へと続き、各地に店や珍妙な敵、見つけるべき秘密が潜む。リアルタイムで減るHPの仕組みが一戦一戦を大切にさせ、糸井重里のユーモアが最後まで見届けたくさせる。カルトRPGの日本版として、その豊かさと唯一無二の作風で色あせぬ魅力を保つ。