Ori and the Blind Forest: Definitive Editionのレビュー
オリの最初の旅は、すでに眩い。光に包まれたニブルの森、半透明の根、宙に漂う粒子が、どの片隅にも童話の気配を宿す。非の打ちどころない animation に支えられたこの物悲しい美しさは、いまも人を魅了する力を失っていない。
ガレス・コーカーが紡ぐのは稀有なほど繊細な管弦の調べ。澄んだピアノ、幽玄な弦、ソプラノの歌声が、ニブルの森の儚さを描き出す。楽曲は言葉なき物語と対話し、静観のなかへ退いては、息詰まる逃走の場面で燃え上がる。この物悲しい美は、言葉の及ばぬところへ感情を運び、いまもインディーゲーム音楽の頂のひとつであり続ける。
滑らかで爽快な移動こそが真の原動力だ。連続ジャンプ、掴み、滑走が、記憶に刻まれる時間制限の逃走で頂点に達する。ミリ単位の精密な足場操作が、古びない描き込まれた美術と響き合う。難所に苛立ち、物語は深さより情感に寄るが、その情感は今も効く。映像と感覚の頂点が見事に保たれている。
枝から枝へ跳び、光の中を滑空し、手描きの情景を駆け抜ける。動きが感情に寄り添う。逃走の場面が鼓動を速め、探索が心を鎮める。滑らかな操作と切ないほど美しい風景が、ひとつひとつの移動を確かな所作のように味わわせる冒険を織りなす。