Owlboyのレビュー
狂気じみた緻密さのピクセルアート、約十年の歳月の結晶。豊かに描き込まれたスプライト、表情豊かなアニメ、めまいを誘う奥行きの多重スクロール背景。極限まで磨かれたこの16ビットの細工は、現代レトロの基準であり続ける。
ジョナサン・ギアが、このピクセルアートの物語を稀なる優しさのオーケストラ曲でくるむ。フルート、弦、ピアノが、言葉を持たぬ主人公たちの飛翔を支える。物悲しく、やがて高揚する旋律が、語られぬものに声を与える。この繊細な旋律美が、空への滑空のひとつひとつを純粋な恩寵の瞬間へと変える。
仲間を抱えて能力を組み合わせる仕組みが、空を舞う探索そのものを形づくる。地上にとどまる多くのプラットフォーマーとは一線を画す。緻密なドット絵が一つ一つの動きと謎解きに重みを与える。アクションにやや切れを欠き物語は穏やかに進むが、飛行と支え合いの融合は今なお心に響き、操作して心地よい。
飛べる相棒を肩に乗せ、放り、受け止め、小島から小島へ滑空する——唯一無二で味わい深い二人組が生まれる。空が遊び場となり、空中の探索が好奇心に応え、丹念に彫られたピクセルアートの一画一画が目を奪う。物語の優しさと飛行の滑らかさが溶け合い、去り難い愛らしい冒険になる。