Phantom Braveのレビュー
ディスガイアの従兄弟であるこの戦術ものは、より柔らかな色合いと、升目のない戦場で際立つ。工房が色とりどりの地獄を育てるところ、ファントム・ブレイブは憂いある水彩の色調、淡い色の浮島、ぼかした光をまとう。戦士は升目を動くのではなく、花や岩や木の上へ自由に憑かされる。柔らかく有機的な地形そのものが、遊びの一部となる。
佐藤天平の手による楽譜は、工房らしい大仰さを捨て、より親密で憂いあるひと筋へ向かう。夢見るようなピアノ、繊細な弦、優しい旋律が、主人公の孤独に寄り添い、遊びに、工房に期待される喜劇的な奔放さとは逆の、優しい情の色を与える。音楽は戦いの度外れよりマローネのはかなさを抱き、ほろ苦いおとぎ話の気配を据える。
物語は、死者の霊を見、従える力ゆえに皆から拒まれる少女マローネを追う。島でのけ者にされ、他人の目には役立ちながらも異形と映るこの力ゆえに嘲られ恐れられる彼女は、守り手である幽霊アッシュのそばにしか安らぎを見いだせない。この孤独から、拒絶と友情をめぐる優しいおとぎ話が生まれる。真の試練は戦いではなく、生者の眼差しなのだ。
背景のあらゆる物から仲間を呼び出す本作は、日本一ソフトウェアのこのタクティカルRPGを、マス目のない実験場へと変える。物語の先には、合体させるアイテムと極限まで上げるレベルからなる、桁外れのやり込みが数百時間を呑み込む。同社らしいこの過剰さが、愛好家に愛される時間泥棒の寿命を生む。