Prince of Persiaのレビュー
彫り込まれたペルシアの建築、ゆらめく布、金色の光──冒険は、稀なる気品をもつ千夜一夜物語に浸されている。主人公のアクロバティックななめらかさと背景の美しさが、動く幻想を織りなす。洗練され温かなこのアートディレクションが、跳躍のひとつ、遺跡のひとつを引き立てる。
イノン・ズアは楽曲を世界の治癒に同調させる。アーリマンに侵されたままの土地では息遣いと持続する弦しか聞こえず、ほとんど無音に近い。だが一帯を浄化した瞬間、女声を先頭に完全な主題が解き放たれる。音楽は行為への報酬となり、癒された地とは歌い出す地のことになる。
エリカが物語の質を変える。墜ちるたびに彼女が王子を掴むため、死が旅を中断することがない。物語はほぼすべて、歩きながら交わされる二人の会話で語られる。信仰の後継者である彼女と、質問をはぐらかすために軽口を叩く名もなき盗人。最後の場面は、英雄が呑んではならぬ選択を突き付ける。