Project Zeroのレビュー
欧州版は、憑かれた邸そのものの造りを際立たせる。氷室の館は、引き戸の障子、畳の廊下、闇に沈んだ空き間からなる、広大な日本の伝統建築だ。灯りはただ主人公の懐中電灯だけで、一度に空間の断片しか照らさない。親しみがありながら脅かす、この家の薄闇が、くぐる戸の一つ一つを、未知への跳躍にする。
真の恐怖の楽器は、空間の音だ。遊びは、その囁きと呻きを、方向をもった聴取に置く。声はある特定の廊下から、右の一室から、頭上から来るように思え、耳は本能的にその源を探す。この音の劇は、導くと同じだけ迷わせ、嘆きの立ち上る戸を、迷い込む危険を冒してでも開けさせる。恐れは、目より先に耳から生まれる。
恐怖の底を、親密な探索が流れる。若き雛咲深紅は、この地を調べに行き、二度と戻らなかった兄、真冬の跡を追って館へ踏み込む。探るのは武装した英雄ではなく、死者の満ちる家で、生者を見つける望みに突き動かされた、不安な妹だ。この家族の原動力が、優しくも絶望的に、恐れに人間の重しを与え、どの手がかりをも胸を締めつけるものにする。