Psychonautsのレビュー
ねじれた形、シュールな色彩、戯画的な登場人物の狂騒的な精神世界──ティム・シェイファーの想像力が画面で炸裂する。訪れる心のひとつひとつが、途方もない創意の独自の美意識をもつ。風変わりで奔放なこの視覚演出は、グラフィックの独創性の傑作と称される。
音楽は、茶番の下に真摯な情を隠す。笑いと奇天烈な世界の裏で、ピーター・マコネルは真の優しさの主題を忍ばせ、物語が人物の親密な傷に触れるとき、それがにじむ。乱れた心とギャグに、物悲しい旋律が続き、頭を探られる者たちの孤独、喪、埋もれた恐れを運ぶ。喜劇の下に潜むこのくぐもった重みが、ゲームに思いがけぬ深みを与える。
超能力スパイの訓練キャンプに集う少年ラズは、他人の苛まれた心を、いくつもの世界のように巡っていく。ティム・シェイファー流のはじけたユーモアの裏には、神経症、心の傷、そして子ども時代をめぐる、驚くほどやさしい主題が顔をのぞかせる。可笑しくも深いこの見事な筆致が、本作をカルト的存在にした。