Red Arremer - Makaimura Gaidenのレビュー
日本版が力を注ぐのは会話の場面だ。魔界の住人たちは枠で囲まれた窓に胸から上を見せ、背を丸めた魔道士、太った商人、鎧の衛兵と、それぞれ異なる面立ちを与えられている。右の列には縦組みの文字が並ぶ。この似顔の並びが、地図だけでは作れない厚みを世界に与えている。
聴き方を組み立てるのは、村と危険地帯の交替だ。村では柔らかく遅い主題が足を止めさせ、危険地帯では音楽が脈動とわずかな単音にまで痩せ細る。この落差のおかげで、集落のひとつひとつが耳で分かる避難所になる。難所を越えたあとに旋律が丸ごと戻ってくる瞬間は、それ自体が褒美として働く。