Singularityのレビュー
島は二つの時代の重ね書きとして読まれる。宣伝ポスターも真空管の機械も無傷の五十年代のソ連施設と、五十年後に朽ちた同じ場所、割れた鉄筋と繁茂した草木。腕に装着した装置は目の前の物を老化させたり若返らせたりでき、階段が再建され、扉が錆に還る変化が一秒で画面上に起こる。
物語はソ連の原子力事故から始まるが、時を遡るうちに、それを引き起こしたのが自分の演じる人物だと判明する。1955年に一人の男を救えば第二次大戦はソ連の勝利となりアメリカは占領される。三つの結末のいずれも元の世界を取り戻しはしない。行き止まりをこれほど率直に引き受ける時間旅行譚は少ない。