Tengai Makyou Zeroのレビュー
このシリーズが描いてきた架空の日本は、本作で稀なほどの密度に達している。路地の入り組んだ集落、社、港、雪に覆われた山。そして何より、世界を本当に塗り替える昼夜と季節の巡り。カートリッジには時計が積まれており、風景は遊ぶ側の暦に従って移ろう。絵づくりはこの発想の恩恵を余さず受けている。
音楽は和の編成とより広い編曲とを織り交ぜる。片方には笛、祭りの太鼓、撥弦楽器。もう片方には管弦楽に近い旅の主題。そして何より贅沢なのは、時刻と季節に応じて曲そのものが移り変わることだ。同じ村でも、二日続けてまったく同じようには響かない。
物語の骨格は日本の昔話そのものだ。異界から来た者たちから国を救うために旅立つ主人公。だが内蔵された時計が、その骨格に普通でない厚みを与える。祭りは現実の日付に訪れ、特定の時間にしか姿を見せない人物がいて、遊んでいようといまいと、世界は自分の一年を進めていく。
幻想的な封建日本を巡る旅は神話に満ちた大河の冒険で、丹念な探索とリアルタイム戦闘が長い時間にわたって広がる。波乱に富む叙事詩が隅々まで秘密を探らせる。スーパーファミコン版シリーズ第五作として、当時稀な作り込みに支えられた野心的で豊かなRPGの評価を保つ。