Hitler no Fukkatsu - Top Secretのレビュー
義手の鉤縄が、この作品固有の絵の文法を決めてしまう。伸びてゆく鉤は関節ごとに明快に描き分けられ、背景を読むことはそのまま引っ掛ける場所を探すことになる。森の基地、格納庫、研究施設といった面は縦に組まれ、会話の場面には対比の強い大きな肖像が出る。
田宮順子が書く主題は、それ単体で聴き通せる強さを持つ。輪郭のはっきりした旋律とよく動く低音。三つの声部を使い切りながら、窮屈さを感じさせない書法だ。区域ごとの曲は緊張と疾走を行き来し、潜入の主題は本体の作品群でも屈指の引用回数を誇り続けている。
ジャンプを封じ、グラップリングアームだけで進む構造はあらゆる反射を覆し、唯一無二の独創的なプラットフォーマーを成立させている。操作を体得すれば、足場から足場へと振り子のように渡る感覚には痺れるような爽快感がある。とっつきにくさはあるものの、この名作が備える独自の機構と巧妙なレベルデザインには、いまだに比肩するものがない。