Cocoonのレビュー
魅惑的なまでに異様な生体機械の宇宙。半透明の球体世界、脈打つ有機的構造、どこにもない異星のパレット。外科手術のように清潔なこの抽象的美学が、めまいを誘うほど複雑な謎をなお読み取れるものにする。
背に担いだオーブの中に広がる世界へ飛び込むだけで、感覚の基準が揺らぐ。この眩暈のような入れ子構造から、球体が場所であり道具でもあるパズルが生まれる。LimboとInsideを手がけたイェッペ・カールセンが、文章も無駄な間も一切なく、模範的に滑らかな連鎖を組み上げる。有機的な雰囲気と音響設計が、魅惑的な異質さで包み込む。短いが稀有なほど的確で、古びる理由などない。