Cybernatorのレビュー
操る機体は、実在しそうな兵器として描かれている。厚い装甲、見える関節、わずかに跳ぶだけで火を噴く背部の推進器。周囲では軌道上の戦争が多層の背景として流れる。宇宙基地、造船区画、破片で飽和した戦場の空。灰と緑の軍用色は、派手さを最初から拒んでいる。
音楽は軍隊の語法から離れない。重い低音、短く吹き上げる合成の金管、打ち込む打楽器、接近の場面で張り詰める持続音。歌える旋律は少なく、圧力を積み上げる反復の音形が大半を占める。任務が破局へ傾いていく局面では、拍を落とした数曲が置かれている。
この西側版が語るのは、地球の列強による軌道上の戦争だ。ただし現地化にあたって政治的な場面がいくつも削られ、結末も差し替えられているため、主張の輪郭は原典よりかなり乾いている。それでも、命令を実行するうちにその本当の代価を知っていく兵士の話は残り、各任務に相応の重みを与えている。