Dark Wizardのレビュー
戦役の地図は広大な方眼の平原に広がり、起伏と城砦と森が布陣図として読めるだけの密度で描かれている。対して会話の場面では大きな人物画に切り替わり、意匠を凝らした甲冑と重い衣の襞が、幻想小説の表紙に近い筆致で示される。
陣営ごとに戦闘主題が用意され、攻める側か受ける側かで曲が入れ替わるため、数十ターンに及ぶ戦いでも音による現在地が保たれる。CD音源は伸びやかな金管と行進曲風の打楽器を軸に据え、準備段階では抑えた楽句へ退く。
対立する宿命を背負う四人の英雄が、それぞれ独立したシナリオを用意し、巨大な戦略マップ上で各々のターン制の合戦を繰り広げる。ユニットを集め、鍛え上げ、どの陣営も遊び直せば、時間は何倍にも膨らむ。この分岐構造の太っ腹さと手強さが、本作に大河のごときタクティカルRPGという根強い評価を与えている。