Energy Breakerのレビュー
ネバーランドは寿命の最終年に入ったスーパーファミコンを相当に押し込んでいる。ゆとりのあるドット絵、質感の作り込まれた斜め見下ろしの背景、落ちる影、超能力にかかる半透明の処理。淡い色と洗い流したような青に寄せた色調が、当時の戦術物に期待された中世風の図像から意図的に距離を取っている。
塩生康範はここでも、ルフィアに与えたのと同じ旋律の温かさを持ち込んでいるが、編成はより内向きだ。小さな合奏、前に出るピアノ、次の一手を考える間に巡る短くわずかに物悲しい主題。戦闘では一段だけ熱が上がり、それ以外を覆い隠すことはない。物語が主役の座を保てるようにしてある。
物語は記憶の欠落から始まり、そのあとはこの手の作品の近道をことごとく断る。選ばれし者はおらず、最初の一時間で最後の魔が名指されることもない。あるのは、どれも清廉とは言えない勢力のあいだで自分の過去を組み直していく主人公だ。調子は終始重く、束の間の休息はそこで垣間見えるものにこそ価値がある。