Final Fightのレビュー
カプコンが押し出したのは大きさだ。画面の高さの三分の一近くを占める巨大なドット絵が、落書きと酒場のネオンとシャッターで汚れたメトロシティを背に動く。マッドギアの面々は体格と服装だけで見分けがつき、受けた一撃は体力計より先に姿勢に表れる。
移植にあたって、アーケードの楽曲は本体の音源用に組み直された。鋭さは削がれたが、その分だけ音は丸くなっている。弾む低音、やわらいだ打楽器、旋律をよく運ぶ合成の金管。地下鉄の主題と路上戦の主題は、パッドを置いたあとも頭に残り続ける二曲だ。
拳を振るってメトロシティの路上を練り歩き、鉄パイプやナイフを拾い、チンピラの群れを吹き飛ばす——ベルトアクションのこの礎は、即座で痛快な怒りを湛えている。堂々たるスプライトと打撃の重みが、一発ごとに小気味よい手応えを与える。直接的で切れ味よく、発散できる。気概を少しも失っていない、ストリート格闘の古典だ。