Gran Turismoのレビュー
運転は、重量・グリップ・荷重移動を、当時の据置機では類を見ない厳密さで追い求める。コーナーの立ち上がりで車が軽くなる感覚や、雨でリアが流れる手応えが、今なお説得力のある操縦の満足を生む。セッティングのメニューは濃密で映像は古びたが、このシミュレーションの土台は驚くほど正確なままだ。
最初の一台を買い、レースに勝ってより速い車を手に入れ、新たな選手権を開放するライセンスを取得していく――そうして、なかなか抜け出せない強化のサイクルが回り始める。愛車を調整し、ラップから一秒一秒を削り取る作業が、タイムへの執着を煽る。メニューは素っ気ないが、この機械的な性能アップの積み重ねは、猛烈に引き込んでやまない。
ライセンスを上り、選手権を制し、調整すべき数百台のクルマを集めることは、長く手強い運転のキャリアを築く。マシンを強化し、コンマ数秒を削り、すべてを解放する時間に、数十時間のレースが費やされる。発売当時、革命的だったこのシミュレーションの奥行きが、クルマ好きが育てる長寿命を支えている。