Lara Croft Tomb Raider - Legendのレビュー
十年ぶりに古巣へ戻ったトビー・ガードが主人公を全面的に描き直す。現実味へ寄せた比率、若く表情豊かな顔、体とは別に揺れる髪と布。背景はその輪郭を引き立てるために組まれ、狭い縁、回り込む柱、そして鉤縄の掛かる面は記号ではなく光の反射で示される。
トロールス・ブルン・フォルマンは行き先ごとに土地の楽器を配する。ボリビアにはアンデスの笛と木の打楽器、日本には撥弦と鐘、西アフリカには太鼓と歌声。それらが共通の管弦楽へ溶け込む。この地理的な色彩が音楽を旅の手帖に変え、地名が出るより先に耳が次の土地を告げる。
調査は私的だ。幼い日にネパールの寺で目の前から消えた母の行方を、ララは追う。手掛かりはアーサー王伝説に連なる剣の断片であり、神話と家族の喪失が編み合わされ、やがて大学時代の友が先に同じ道を歩んでいたことが明かされる。考古学がまず個人的な問いに応える稀な一篇だ。