Last Bible IIIのレビュー
この系列は東京を離れ、古典的な幻想世界へ舞台を移す。それにともない画面も一変する。石造りの村、平原、城塞、暖かい配色、丸みを帯びたドット絵。アトラスらしい悪魔たちは相変わらず見分けがつくが、中世風の背景に置かれると、どこか飼い慣らされたように見える。そこにこの作品独特の調子が生まれる。
音楽もこの語法の移動に従う。村には笛と撥弦、平原にはより広がる主題、迷宮には旋法的な音形。それでも戦闘曲になると、この会社の刻印が戻ってくる。ありふれた幻想物が求める以上に拍が立ち、不協和が増す。シリーズがもともと都市の物語だったことを、思い出させるかのようだ。
語られるのは、魔法が失われた古代技術のように働き、人がその制御を手放してしまった世界だ。異なる立場を背負う三人が交差し、作品は誰が正しいのかを最後まで名指ししない。この会社らしい流儀は保たれているが、都市を舞台にした作品群よりも、重さの手触りはやわらかい。