Last Story, Theのレビュー
岩山の上に築かれたラゼルの都は、石と金属と黄金の光のあわいで、古びた色合いの黄昏のファンタジーを立ち上げる。映画的な演出が、構図の一つひとつを一本の映画のカットのように仕上げる。広大で生命を宿したこの映像の野心が、物語に確かな劇的密度を与える。
植松伸夫の円熟した霊感に満ちた作品である楽曲は、オーケストラ、ケルトの合唱、ロックの色合いを織り交ぜ、ゼイルとカリスタの運命を支える。親密さと叙事的な荘厳さのあいだで、音楽は深い情感とともに物語のあらゆる転機に寄り添う。この交響的な豊かさが、J-RPGの巨匠の才を余すところなく示す。
より良い未来を求める傭兵──友人たちの一団が、消えゆく島と世界の運命に巻き込まれていく。『ファイナルファンタジー』の生みの親による物語は、戦友の絆、愛、そして犠牲を、偽りのない情感で結び合わせる。壮大というより親密なこの温かな叙事詩は、その人間味で人の心を打つ。