Mother 1+2のレビュー
レトロな愛嬌と、どこかずれた世界観──絵はがきのようなアメリカの風景、とぼけた敵、温かな色合いが、唯一無二の世界をつくる。あえての素朴なスプライトの裏に、絶え間ない創意とユーモアが潜む。素朴でいて機知に富んだこの愛らしい作風こそ、カルトなシリーズの妙味そのものだ。
『MOTHER』と『MOTHER2』を一堂に集めることは、ポップ、ブルース、そして魂のこもった子どもらしい旋律を織り交ぜた、風変わりで愛おしい楽曲を寄せ集めることだ。音楽は、英雄的なファンファーレとは程遠い、やさしく奇妙な世界を織りなす。深く人間的なこの音の独自性が、シリーズのカルト的地位を物語る。
子どもらしい見た目と、どこかずれた現代世界の裏に、これらの冒険は、やさしい憂いと独特のユーモアを潜ませている。郊外の町並み、空飛ぶ円盤、とぼけた敵たちが、ほかでは決して出会えない心温まる世界を織りなす。可笑しくも胸を打つこの筆致こそ、このシリーズを包む熱狂の理由だ。
風変わりな雰囲気の二本のRPGを一本のカートリッジにまとめたことで、冒険は単一の物語をはるかに超えて長く続く。現代的で奇妙な世界を探索し、英雄を育て、その秘密を解き明かす――つい区切りを先延ばしにする成長が生まれる。ランダムエンカウントや時に緩やかなテンポはのしかかるが、独特のユーモアと旅の好奇心が、しぶといやる気を保たせる。
完結した二本のRPGを一本に収めるだけで数十時間は保証されるが、各作の濃密さこそ圧巻だ。マザーのシュールなアメリカを歩き、マザー2はさらに広大な冒険と笑いと秘密を見せる。両世界を巡りレベルを上げ原文を味わう時間は長く、日本限定の希少さが今も垂涎の一本という評価を支えている。