Policenautsのレビュー
小島秀夫はアメリカ製犯罪映画の画づくりを宇宙植民地へ移し替えた。八〇年代の日本アニメを受け継ぐ角ばった人物像、冷たい色調の軌道基地、絵コンテのように場面を切り取る映画的な構図。濃い陰影の処理が静止画の存在感を高め、相棒ものへの敬意を隠さない。
厚いシンセ、夜のサックス、乾いた打楽器が、宇宙にいながら都会の犯罪劇の空気を作る。捜査場面の曲は囁くように後景へ退き、射撃の場面で神経質な律動が表へ出る。静けさと張り詰めた瞬間の落差が、台詞にすべてを賭けた物語を支えている。
宇宙コロニーでの元妻の失踪を捜査すべく旅立った元警官が、麻薬、喪失、そして裏切りの絡み合う陰謀を掘り起こしていく。小島秀夫の手によるSFノワールとして、物語は大人びた情感、作り込まれた台詞、そしてフィルム・ノワールの緊張を結び合わせる。この知られざる冒険は、その成熟と野心で人を惹きつける。