Shining Force IIのレビュー
戦術は斜め見下ろしの地図の上で進むが、交戦のたび画面は寄りに切り替わり、両者が大きく動く。この往復によって竜、半人半馬、甲冑の騎士といった戦闘用の絵を細かく描き込みつつ、地図の側では駒の見分けやすさを保っている。
桜庭統がここで書くのは和声の豊かな従軍の音楽だ。段を追って高まる戦闘の主題、思いがけないほど穏やかな村の場面。調の移り変わりが物語の転回に寄り添い、いくつかの動機は章を越えて姿を変えて戻り、旅路を一本に結んでゆく。
軍を育て、英雄をクラスチェンジさせ、マス目で一戦ごとの段取りを練る営みが、後ろ髪を引かれる思いでしか抜け出せない戦術の輪を組み立てる。戦闘の合間の探索、隠しキャラの仲間入り、ユニットの成長が短い目標と確かな報酬を次々につなぐ。戦いは長引くこともあるが、戦略の奥行きと冒険の温かみが、末永く続く引力を保つ。
ボウイとともにゼオンとその悪魔に立ち向かい松明を受け継ぐことは、より広い世界とより厚い顔ぶれで戦術の形式を広げる。数十人の英雄を仲間にし、クラスチェンジさせ、戦いの合間に探索する時間は、非常に長い。本機におけるシミュレーションRPGの頂点たるこの広がりが、ファンが心ゆくまで味わう寿命を支えている。