Street Fighter IVのレビュー
3D化は2Dを守るために設計された。真横に固定されたカメラ、打撃の瞬間に解剖学を超えて伸びる手足、歌舞伎の見得のように誇張された筋肉。固定画面を破るのはウルコンだけで、力んだ顔面へカメラが急接近する。十年の空白は誰も見紛わぬ様式で終わった。
サウンドは記憶に賭ける。1991年に書かれたガイルやケン、春麗のテーマが現代的なエレクトロ編曲で蘇り、ゲームセンターに通った者なら三音で聴き分けられる。自らの過去を再編曲すべき古典として扱う姿勢こそ、この音楽の本領だ。
フォーカスアタックを溜めて一撃を受け止め、反撃に転じる――その駆け引きが、基礎を捨てることなく対戦に新たな間合いの読みをもたらす。歯ごたえのある連係と均整の取れたキャラ層は、鍛錬に報いてくれる。現代2D格闘の復興を告げた本作は、いまなお対戦愛好家を惹きつける、堅実で見切りやすい操作感を保ち続けている。
2D格闘の王の凱旋——際立った映像様式と、手本のような精度のゲーム性で、公式を蘇らせる。凄まじいコンボや、危機を救うガードを決める快感は即座に訪れ、習熟は果てしなく味わえる。切れ味鋭く均整がとれ、とっつきやすい。ジャンル全体を再起させ、競技の炎を再び燃え上がらせた対戦の指標だ。