Tengai Makyou Zero - Shounen Jump no Shouのレビュー
この販促版は、本編の上に雑誌の装いを接ぎ木している。ひと目で分かる客演の面々、誌面から借りてきた画面の割り付け、そして横幅いっぱいの挿絵に与えられた広い場所。土台となる世界は変わらないため、二つの絵の語法の落差がかえってはっきり見えてくる。
曲の構成は本編の蓄積をそのまま使い、そこへ新規の場面に合わせた数曲を足している。どれも本編より軽快で短く、一度きりの登場に合わせて刻まれている。時刻に応じて音楽が移り変わる仕組みは生きたままで、この版もまた、全体で最も面白い特質を手放してはいない。
本編の筋立ては保たれたまま、この版のために書き下ろされた挿話が差し挟まれる。まったく別の世界から来た顔ぶれが、主人公の道と交差するのだ。仕掛けは販促であることを隠さない。そして面白みは、きわめて生真面目な日本の説話が、本来いるはずのない客人を迎え入れる、その光景そのものにある。
原作の冒険をそっくり受け継ぐこの特別版は、幻想的な封建日本を巡る大河の旅をそのまま備え、探索と長時間のリアルタイム戦闘に満ちる。少年ジャンプ絡みの追加要素が再び潜る理由を加える。収集家に望まれる異版として、天外魔境の長寿を支える濃密さと物語の野心を受け継ぐ。